exposureroom’s blog

経理財務部門を10年以上担当。会計・税務に関わる情報を発信。

老朽化インフラ 水道管の漏水リスクが顕在化している日本

水道管は私たちの生活に欠かせないインフラの一つです。しかし、日本では多くの水道管が老朽化しており、漏水や断水などの問題を引き起こしています。この記事では、水道管の老朽化がどのような影響を及ぼしているか考えてみたいと思います。

 

水道管の老朽化による悪影響

まず、水道管の老朽化がもたらす影響について見てみましょう。水道管は地下に埋設されているため、その状態を目で確認することはできません。しかし、実際には多くの水道管が錆びや腐食によって劣化しており、その結果、漏水や断水が発生しています。漏水は水資源の無駄遣いだけでなく、土壌や建物の損傷や地盤沈下の原因にもなります。断水は生活用水や消火用水の供給が停止することを意味し、住民の生活や安全に大きな影響を与えます。また、老朽化した水道管からは錆や異物が混入する可能性もあり、水質の低下や健康被害を招く恐れもあります。

 

水道管が老朽化している背景

水道管の設置年数が長いこと

水道管の更新率が低いこと

日本では戦後から高度経済成長期にかけて大量に水道管が敷設されました。そのため、現在使用されている水道管の約6割が50年以上経過しており、その寿命を超えています。一方で、水道管の更新率は年間約0.8%と非常に低く、全国平均で約130年かかってようやく全ての水道管が更新される計算になります。これでは老朽化した水道管が増え続ける一方であり、問題の解決には程遠いと言わざるを得ません。

 

水道管診断技術への期待

現在、日本では地下に埋設された水道管の状態を把握するためには、掘削や探査などの手間と費用がかかる方法が主流です。しかし、これでは水道管の全体像を把握することは困難であり、効率的な更新計画を立てることもできません。そこで、地上から水道管の状態を測定できる技術や、水道管内にカメラやセンサーを送り込んで診断できる技術などを活用することが望まれます。

 

水道事業の担い手

現在、日本では水道事業は地方自治体が主体となって行っています。しかし、地方自治体には財政的な余裕がなく、水道管更新事業に十分な予算を割くことができません。そこで、国や民間からの補助金や融資などの支援を受けることが必要です。また、水道事業の民営化や公社化などの制度改革も検討する余地があります。

 

老朽化インフラ関連銘柄(水道管)2023/9/18時点

5612 日本鋳鉄管:JFE系列の水道管メーカー。PBR1倍割れ。

6432 竹内製作所:水道管工事などに向けた小型建設器機メーカー。配当利回り2%超。

4642 オリジナル設計:水道管網の解析を手掛ける。配当利回り3.5%。

 

最後に

水道管は見えないところにあるため、その重要性や緊急性が十分に認識されていないかもしれません。しかし、私たちは水道管の老朽化問題に真剣に取り組む必要があります。